

studio: kobayashi studio
タグ:










事務所の保護犬KENZOとの散歩中は、彼の気の向くままに見知らぬ道に入り込むことも多い。先日もそうして歩いていると、視界に黄色やピンクの鮮やかな色彩が飛び込んできた。あるお宅の庭のに色とりどりの花が無造作に咲き、そのうちいくつかがフェンスを超えて道路側に顔を覗かせていたのだ。そこまでは珍しい光景ではないのだが、よく見るとフェンスに「自由にお取りください」と貼り紙がある。管理の手間を減らすためなのか、花を愛でる喜びをシェアしたいのか真意がわからないが、折角なのでお言葉に甘えて黄色い花を2輪いただいて、事務所に飾った。団地にあるオフィスならではの偶然の出会いに、ちょっと気分が良くなった朝であった。
“建築は職人が作るもの”
“住宅はローンを組んで手に入れるもの”
“材料はお金を払って購入するもの”
これら当然だと思い込んできたことは、明日もあたりまえに続くことでしょうか。
昨日まで何の疑いもなく繰り返されてきたことが今にも途絶え、変容しようとしている時代。我々は明日のあたりまえを見通すことが難しい時代に生きています。
建築と都市はそのスケールの大きさから、様々なものの関係性の中においてこそ存在し意味を持ちます。人々の価値観が細分化・多様化し、あたりまえを見つけるのが難しくなった時代において、偏狭な趣味嗜好、主義主張を振りかざすだけでは持続可能な状態をつくることは困難になっています。
新築 / 改修
都市 / 地方
人工 / 自然
新しいもの / 古いもの
全体性 / ディテール
どちらか一方ではなくそのあいだ、それ単体ではなくそれらの関係性を考えることこそが建築家の役割ではないでしょうか。
小林スタジオでは、今まで盲目的に不変のものとしてきた“あたりまえ”を疑い、スケールを横断する俯瞰の視点でオルタナティブを提案することを目指します。多様化する価値観、相反する事物を優劣なくフラットに扱い、人/建築/物質の大きな循環のなかで関係性の外に追いやられているヒトモノコトに光をあて、場所づくりのなかに取り入れる。
そうした建築を通して新しい世界の豊かな暮らしを実現することができるのではないかと考えています。





事務所の保護犬KENZOとの散歩中は、彼の気の向くままに見知らぬ道に入り込むことも多い。先日もそうして歩いていると、視界に黄色やピンクの鮮やかな色彩が飛び込んできた。あるお宅の庭のに色とりどりの花が無造作に咲き、そのうちいくつかがフェンスを超えて道路側に顔を覗かせていたのだ。そこまでは珍しい光景ではないのだが、よく見るとフェンスに「自由にお取りください」と貼り紙がある。管理の手間を減らすためなのか、花を愛でる喜びをシェアしたいのか真意がわからないが、折角なのでお言葉に甘えて黄色い花を2輪いただいて、事務所に飾った。団地にあるオフィスならではの偶然の出会いに、ちょっと気分が良くなった朝であった。


studio: kobayashi studio
タグ:


開口補強工事がいよいよ大詰めを迎えている。これまで約2週間にわたり、補強筋の施工、型枠の設置、生コン打設と工程を進めてきた。今回の補強方法は、設けたい開口寸法よりも三方を大きく解体し、その範囲に補強鉄筋コンクリートを新たに打設するというものだ。通常、生コンは型枠の上部から流し込んで打設する。しかし今回は、既存躯体の“上辺”の下側へコンクリートを充填する必要があり、コンクリートの性質からしても容易ではない条件だった。職人たちと現場で何度も打ち合わせを重ね、知恵を絞り最適な方法を模索し続けた結果、特殊な充填方法を開発した。慎重を期した打設も無事に完了した。


studio: kobayashi studio
Work: On Re. Bas
タグ:Architecture


On Re. Baseプロジェクトでは工事において極力新材を使用せず、廃材や端材などを活用することをコンセプトとして進めている。今回はとある伝手で知り合った奥多摩の材木屋さんに、使う当てのない木材を引き取りに伺った。巨大な倉庫の中には家を何十棟と建てても無くならなさそうな膨大な量の木材の山。大量に在庫を抱えたまま開店休業状態なのだという。このプロジェクトの理念に共感していただき、どんな木材でも定額取り放題という形で格安で譲っていただけることになった。ウッドショックが騒がれる裏で、膨大な木材ストックが日の目を見ぬまま捨てられていく。歪な木材流通の実情を垣間見たと同時に、倉庫の中から木材を探す様がさながら宝探しのようで、なんだか楽しい時間だった。


studio: kobayashi studio
Work: On Re. Bas
タグ:Architecture


古民家リノベーションの内装工事が進んでいる。白基調のフラットな内装、高性能のサッシ、折り上げ天井に間接照明。古民家なのにマンションライクを求めるお施主さんの要望に応えた“逆張り”の家になっている。壁は厚さ6mmのケイカル板にクロスを貼り込んだパネルを制作し、それを接着して仕上げる仕様で、開口部も特注のスチール枠を制作してもらい、枠の存在感を消す納まりになっている。パネル工法やスチール枠はそもそもオフィスや商業施設などの非住宅用途で、同一規格の既製品を用いて早くきれいに仕上げるための納め方であり、古民家の、ましてやリノベーション工事で採用することは普通はないだろう。お施主さんの逆張り精神に答えた、古民家らしからぬクリーンでミニマルな内装に仕上がる予定だ。


studio: kobayashi studio
Work: Nkmさんの母屋
タグ:Architecture


付き合いのある商社さんの倉庫で在庫セールがあった。巾木材や枠周り化粧材、水栓設備がほとんどだったが、隅に土間シートがたくさん積まれていた。金額を聞くと、1ロール500円でいいとのことだった。自分の記憶だと、ホームセンターで1ロール5,000円は超えていた気がしたのでこれは安すぎると感じた。自分の担当現場でも使うことができるので、とてもラッキーな出会いだった。少しでも安く材料を手に入れ、浮いた分で仕上げや設備のグレードを上げたり、設計させて頂いた内容を妥協しないように務めることができるのも、設計と施工を両立している大きなメリットだと改めて実感した。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


現場のDIT(Do It Together)作業。自分はパテ塗りを任された。何度か経験している作業だが、毎回難しさを感じる。木パテは乾く過程で痩せるのでツラ(建築用語で表面や部材の最上部のこと)よりほんの少し盛る必要があるのだが、そのちょうど良い盛り加減が未だにつかめない。粘度のあるパテは微調整が難しく、そもそも思うように盛れないこともある。入角の際はヘラが動かしにくい、手早くでも粗くならないように、など、気づきや考え事をしながら手を動かした。表には出てこない「下地」ではあるが、丁寧さを疎かにしてはいけない。転職1年目である自分の「下積み」とも重なると感じた。仕上げに隠れて見えなくなる部分ではあるけれども、今できる精一杯で美しく仕上げたつもりだ。


studio: kobayashi studio
Work: On Re. Bas
タグ:Architecture


事務所で犬(Kenzoと名付けた)を飼い始めて2ヶ月近く経った。スタッフ皆で持ち回りでお世話の日にちを決めて面倒を見ている。Kenzoが事務所に来てからしばらく経つが、事務所に犬がいるというのは中々いいものだ。現場でどんなに疲れて帰ってきても一瞬で癒され、疲れが飛ぶ(気がする)。写真は朝の散歩の様子。Kenzoと背景の落ち葉が同色になっている。秋だ。


studio: kobayashi studio
Work: On Re. Bas
タグ:Architecture


担当していた新築プロジェクトのオープンハウス日程が決まり、ポスター制作を開始した。竣工してからしばらく経って久しぶりに写真を見返した。やはり対比構造が一番印象的でポスターデザインにも活かせないかと試行錯誤しているが、久しぶりのグラフィックデザインに苦戦。大学時代を思い出しつつ、伝えたい情報やの整理と、写真選びや文章、フォントやサイズなどを試行錯誤している。建築設計や現場作業とは少し違う作業を隙間時間で考えることは、頭のリフレッシュにもなるし楽しいなと感じている。これを機にマルチタスクのコツを1つでも掴めるようにしたい。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


先日設計提案の打ち合わせがあった。方針は決まっていたが、なかなか最終的な形態が決まらず難航していた。いいプランだとは思えるのだが、確信が持てない。一度初心に戻り、コンセプトや概要をまとめ、自分ができる限りの配置パターンや形状をただひたすらにスタディした。ただただ書きまくる中で色々な発見があり、最終的に自分でも自信満々の設計にたどり着くことができた。しばらく現場監督業務や申請業務が続いていて、学生の頃を思い出すような感覚があった。ひたすら書いている時間はとても楽しかったし、ひらめく瞬間の快感は最高の気分だった。無事打ち合わせも上手くいき、ほっとした一週間だった。


studio: kobayashi studio
Work: Iさんのための家
タグ:Architecture


今週は開宅舎さんが管理している市原市加茂地区の古民家3物件の現調をおこなった。1件は開宅舎さんが新たに取得した物件で、入居者募集前に撓んでいる床や天井などの修繕を行う予定。残りの2件はすでに入居者が入居している物件だが、雨漏りがしているということで、屋根の上に登って原因を特定し、対策を検討した。開宅舎さんの物件修繕を継続的に行っていると、古民家の不具合に対する見る目が養われ、対処法もすぐに分かるようになってくる。それはさながらお年寄りばかりの過疎地域で巡回診療を行う町医者のようでもあり、僕らはこうした関わり方を“町医者的建築家”と呼んでいる。空き家が増え続ける過疎地域にこそ、知識と経験をもった町医者的建築家の役割がある。


studio: kobayashi studio
Project: 開宅舎のためのメンテ
タグ:Architecture


開宅舎からの依頼で、元空き家だった物件の雨漏り調査に伺った。立派な門や庭を備えた豪邸で室内の意匠も細部まで凝っていたが、特に目を引いたのが、玄関から入ると正面に見える丸窓障子だった。住宅で目にするのは初めてだったが、即座に「となりのトトロ」のワンシーンが脳裏に浮かんだ。さつきとメイが新しい家を駆け回る、ワクワクする場面だったと記憶している。丸窓障子の、部屋と廊下の間に窓があるという不思議さとその丸い形の可愛らしさに、子どもながらに心がときめいていたことをよく覚えている。そんな心惹かれたデザインの本物に、20数年越しに出会えた嬉しい日だった。


studio: kobayashi studio
Project: 開宅舎のためのメンテ
タグ:Architecture


On Re. Projectの新規物件、On Re. Baseの内装工事が進んでいる。目透かしで貼られているおよそ600mm角の21mm針葉樹合板はプレカット工場から出る端材で、本来捨てられるはずだった材料をタダ同然で譲ってもらっている。あくまで端材であって新品には変わりないのだが、必要な寸法がとれないという理由だけで捨てられているのだ。このプロジェクトではあえて600mmという端材のスケールを内装の寸法決定の基準として採用することで、端材を余すことなく再利用している。合理性や材料流通といった既成概念を少し外して考えるだけで、まだまだ使える材料はたくさんある。


studio: kobayashi studio
Work: On Re. Bas
タグ:Architecture


木工事が進み、壁が仕上がってきた。プレカットの課程で出る合板の端材を再度正方形に加工し、15mmの目透かしを縦横に通して壁に貼っていく。この後塗装で仕上げ、目透かしを利用して造作した棚を引っ掛けて行く予定だ。図面やモデリングで検証し、良くなりそうだと判断して作っているが、実際に出来上がったものを見ると想像以上にいい。(少し狂気を感じもする。笑)想像したものが実際に出来上がっていく過程は何度やっても楽しい。端材活用の1つの解を出せた気がする。最終の仕上がりが楽しみだ。


studio: kobayashi studio
Work: On Re. Bas
タグ:Architecture


今週はこのOnre.baseプロジェクトの1つ目の山場である大工事を行った。RC造の壁を3か所、スラブを1か所解体した。足場をかけ、粉塵を抑えるために水をまきながら巨大なコンクリートカッターで切り開けていく。壁で耐力をとっている壁式構造の構造部をガッツリ壊す工事には緊張を覚えた。内部の簡単な間仕切り壁を解体するのとは訳が違う。翌週には開口部の補強工事が始まる。余談だが、3年ほど前にも同様なスラブ開口をする工事を同じ職人さんにお願いした。その時は丸1日ほどかかってしまっていたが、今回は半日ほどで終わった。少し慣れてきたようだった。


studio: kobayashi studio
Work: On Re. Bas
タグ:Architecture


空き家を現調するうえでのポイントについて、スタジオ長からレクチャーを受けた。古い建物を扱う時は、新築住宅を設計する時とは異なる知識が必要だ。「出雲式浄化槽」や「単相2線式」など、古民家に関わる仕事をしなければほぼ出会うことのない言葉だろう。設備の説明の後は、該当物件の問題点(床のたわみ、電気が点かない、お湯が出ないといった“空き家あるある”)を確認し、原因を探って対処法を考えていく。ここまで老朽化した建物を目にする機会は、ふだんの生活ではなかなかない。素材や設備がどのように劣化していくのかを実際に見ることができることは、ある意味貴重な体験かもしれない。


studio: kobayashi studio
Project: 開宅舎のためのメンテ
タグ:Architecture


最近寒くなってきて、秋を通り越して冬になったような気持ちになった。最近は建築の内部と外部の境界や、有機的な形状、自然的な建築というトピックに頭を悩ませていることが多い。ふと夜の公園のベンチに寝転がり空を見たら、木々の作り出す空の奥行きや不正形な境界線が印象的だった。この要素をいかに建築に取り入れるのかをこれからしばらく考え続けることになりそうだ。


studio: kobayashi studio
Work: Iさんのための家
タグ:Architecture


先日とあるリノベーションプロジェクトの設計提案打ち合わせがあり、基本設計フェーズが終わりを迎えた。ついに詳細設計が始まり、細かい実測を行なった。まだあまり見慣れない天井裏の実測を行い、図面上だけで想像していた建物の裏側を直接見たことでかなり解像度が上がった。入社してから新築物件の経験が多く、最近になり古民家プロジェクトを担当させて頂くことが増えたのでかなりいい経験をさせて頂いていると実感している。リノベーション特有のイレギュラーに対応できるように準備を怠らず備えていきたい。


studio: kobayashi studio
Work: Iさんのための家
タグ:Architecture


住宅の「3点セット」と呼ばれるものがある。風呂、トイレ、台所だ。このうち全て、もしくはいくつかが揃っていないと、自治体によっては住宅として建築できない。ただ、今の時代、風呂はジムや銭湯で済ませる人もいれば、毎食外食や弁当で済ませる人だっていそうだ。(さすがにトイレなしはきついが。)こうして住宅の要素が分解され、外に分散していったとき、最後まで家に残るものはなんだろうとふと考えた。そして「安心して眠れる場所」なのではないかと思った。考えてみれば、家の原点はただ「雨風を凌ぐ場所」だったのだからある意味当然だ。効率化の結果、原点回帰していると考えるとなんだか面白い。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


プロジェクトで使用する木材の製材をいつもおなじみ養老渓谷の大工さんにお願いしている。大工さんの下小屋には帯鋸、手押し鉋盤、自動鉋盤、超仕上鉋盤が設置されており、どんな木材でも超仕上された造作材に加工することができる。話を聞くと、これらの機器は総額で1000万円は優に超えるらしい。昔は大工が自分で製材出来ないと仕事にならなかったが、今はプレカットや既製品が増えたことで出番も少なくなったとのこと。最近は下小屋を持たず、軽バン1台で動く大工も増えている。建築生産が様変わりしたと言えばそれまでだが、好きな材料を好きなように加工する道具、そして機会が失われていくのは寂しい。


studio: kobayashi studio
Work: On Re. Bas
タグ:Architecture


事務所のダイニングテーブルをホワイトモルタルで製作するため、研ぎ出しのスタディを行った。実際に自分たちでサンプルを作ってみることは、工程の難しさや仕上がりの質感を体感することができる。テーブルはDIYで製作するが、自ら手を動かしてみたからこそ、作業の難しさを理解でき、職人さんに依頼する際にも「この方法なら実現できるかもしれない」と具体的な提案ができると感じた。改めて、モックアップやサンプルを自分で作って検討することの重要性を実感した。


studio: kobayashi studio takashima studio
Work: ハヤシハウス
タグ:Study


事務所まわりの落ち葉を拾った。事務所の庭には大きな木があり、この時期になるとその木からの落ち葉で庭や道が落ち葉だらけになる。お隣さんの家の前を見るといつも掃除されていて綺麗なので、見習わなければいけないなといつも思っている。夏場はこの庭の木が太陽光を遮って、事務所内に入る日光を減らしてくれている。お世話になった分、最後までちゃんとお世話をすることをこれからも意識して事務所のメンテナンスを頑張っていこうと思った。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


規格化されてきない端材を使うということは、その規格化されていないが故のブレをいかに許容するか、又はいかにブレをなくすかを考える必要がある。例え数mmのブレを持つ材だったとしても大量に使用していると、数10mmのブレが生まれてしまう。端材をよく扱うkurosawa kawara-tenの設計では、端材を再度規格化する加工のための治具を作るという工夫が度々必要になってくる。その端材のためのワンオフの治具。今回は、プレカットの過程で生まれてしまう合板の端材を再度整形するための治具を作った。


studio: kobayashi studio
Work: On Re. Bas
タグ:Architecture


少し前から、事務所で迷い犬を保護している。柴の老犬で名はKENZO。某有名建築家にちなんで名付けられた。玄関に鎮座している姿がすっかり日常の風景となり、誰もが通るたびに声をかけたり、モフモフした頭をひと撫でしたりしている。「かわいいものを見ると作業効率が上がる」と本で読んだことがあるが、実際に上がったかどうかはともかくとして、KENZOが所員や来訪者の癒しになっているのは確かだ。私は事務所で過ごす時間が長い分、特にその効果を受けている気がする。また、散歩の時間は所員の運動不足解消やご近所さんとのコミュニケーションのきっかけにもなっている。今や立派に事務所の一員となりつつあるKENZOである。


studio: kobayashi studio
タグ:


先週お引き渡しをした新築住宅の植栽工事をおこなった。施工は毎度お世話になっている、武田屋作庭店の武田さん。限られた予算のなかで、植栽帯一か所だけの小さな工事となったが、さすがのセンスでいい感じに施工していただいた。植えたのはアオダモやアズキナシなどの落葉広葉樹。落葉樹というと落ち葉が気になるかもしれないが、武田さん曰く、落葉樹の落ち葉は常緑の葉と比べて軽いため、一か所に滞積して悪さをすることは少なく、土にも還りやすいのだという。建築はそのスケールの大きさ故に、実際に建つまでその空間の良し悪しを判断することが難しいが、季節の移ろいや木々の成長といった変化を織り込む庭師の仕事もまた、確かな知識と想像力を必要とされる面白い職能だと実感する。


studio: kobayashi studio
Work: Knさんのための家
タグ:Architecture


このプロジェクトの造作家具のほとんどは、藤江木工所さんに製作をお願いしている。古民家のリノベーションといえば既存躯体の歪み撓みに対応するため、家具の造作も現場合わせでの製作となることが多いが、今回のプロジェクトでは既存躯体の歪みを拾わないよう縁を切ったふかし壁による内装としているため、新築工事同様にプレファブの家具をインストールする工法が可能となった。一部家具が出来上がってきたとのことで、製品検査に伺った。大型の工作機器を駆使し、熟練の職人さんによって組み上げられた家具は、非常に高い精度で製作されている。現場製作では到底実現できない仕上がりで、お施主さんのイメージする“マンションライクな”内装が実現する予定だ。


studio: kobayashi studio
Work: Nkmさんの母屋
タグ:Architecture


大工さんに床の下地を組み始めてもらっている。大引きだけを残して解体された状態からたったの1日で、20畳程度の大きさの部屋の下地があっという間に組み終わった。この大工さんは今年で78歳になったが、驚くべきスピードだ。廃墟同然の場所に、新しい生活の場を作り出していくその姿がただただかっこいい。


studio: kobayashi studio
Work: On Re. Bas
タグ:Architecture


新築の住宅がついに竣工した。担当者の努力が実を結び、無事に素敵な家が完成したことを、私自身も心から嬉しく思う。一見まったく別の建物のようにも見えるクリームイエローとグレーのふたつのボリュームは、奥様と旦那様それぞれの好みを反映したものだ。庭から見上げると、それらが交差する様子の向こうに、澄み渡る秋の青空が広がっていた。これからこの家で始まるおふたりの新しい暮らしを、明るい未来が照らしているように感じた瞬間だった。


studio: kobayashi studio
Work: Knさんのための家
タグ:Architecture


“職人不足”と様々な所で言われる世の中になっている。外国人労働者を受け入れることや、遠隔で工事を行えるような技術を開発するなどしてこの問題に対して世の中は様々な策を打っているが、肝心の職人を増やそうという抜本的な解決策は出ていない。そもそも「職人」と聞くと、今の一般的な感覚からすると遠い存在に感じられるのではないだろうか。この心理的距離感こそが、職人を志す人が減っている大きな要因なのかもしれない。そんな現状に対して、kurosawa kawara-tenでは職人の手元として働くというパートタイムスタッフを募集している。電気・水道・大工など、よく入って貰う職人さんの元を回ってもらい、一緒に工事をやって貰う。この写真の方は普段は花農家をされていて、週に2日ほどパートタイムとして働いて貰うというスタイルをとっている。今日は電気屋さんの手元。今後この方がどう育っていくのかを注視したい。


studio: kobayashi studio
Work: On Re. Bas
タグ:Architecture


ついに最後の木工事となる本棚製作が完了した。お世話になった大工さんの最後の作業である。予定が詰まっている中、日曜日の午前中に施工しに来てくださった。この書斎が本棚によって明確化されることで、夫婦それぞれの趣味室となるピアノ室と書斎の関係性が見えてくる。籠るピアノ室と開かれた書斎。視線の先に映るが姿までは見えないピアノ室と、見ようと思えばいつでも見える書斎。建築全体に広がる対比構造の重要な一つとなる。照明器具付けや水道工事があと少し残っているが、来週末のお引越しに向けてのラストスパートを楽しみたい。


studio: kobayashi studio
Work: Knさんのための家
タグ:Architecture


この住宅の南面ファサードは宙に浮いた家型のボリュームが特徴的である。周辺環境への応答の結果、北側にむけては大きく開口をとった反面、南側にはほとんど開口部を設けていない。壁がそり立つ様子は、近隣の戸建て住宅の面構えとは似ても似つかない姿をしているが、この典型的な家の形を想起させる切妻屋根のボリュームがこの住宅を家たらしめている。その姿はいわゆる”普通の家“と比較すると家らしくないとも言えるし、むしろ最も家らしい形をしているとも言える。どれも似たような”普通の家”が立ち並ぶ住宅街において、はたして普通とはなにか、個性とはなにか、家とはなにか。そんな思索がこのファサードに表れている。


studio: kobayashi studio
Work: Knさんのための家
タグ:Architecture


この住宅のハイライトのひとつ、アーチ窓にガラスが入った。スチール造作枠については以前触れたが、今回はその続き。ガラスは内押縁の形で納められており、押縁には21㎜のラワンランバーをアーチ形状にカットしたものを使用した。ガラスとスチール枠、押縁の間には幅広のバッカーをアーチ形状にセットしたうえでコーキングすることでガラスからの覗き込みに配慮し、方形のガラスがまるでアーチ形であるかのように納まっている。ソリッドな塗装巻き込みの窓枠とラワンランバーのアーチ押縁の対比がアーチ窓の装飾性を際立たせる。本来は組積造において、その構造的制約から生まれたアーチ窓が、方形の開口枠のなかでわざわざ納まりを工夫しながら、装飾的要素として新たに作り出される。装飾について考えさせられる。


studio: kobayashi studio
Work: Knさんのための家
タグ:Architecture


確認申請に向けて、学生時代ぶりに天空率を扱っている。学生時代ぶりということは、つまりほとんど忘れているということだ。計算自体はCADソフトが自動で行ってくれるものの、敷地条件を踏まえて適合建築の形状などの前提条件を設定するのに苦労した。一通りの書類を作成して、ようやく学生の頃に詰め込んだ知識が、自分が使える技術として少し身についた気がする。とはいえ審査はこれから。滞りなく進むことを祈るばかり。


studio: kobayashi studio
Work: On Re. Bas
タグ:Architecture


自分が担当した新築住宅の引き渡しがあった。2月頃から申請業務を始めて約半年間このプロジェクトが続いたが、それももうこれで終わりだ。無事に内部の工事は全て終わり、残すところは庭などの外構のみとなった。思い返せば、材料の発注が遅くなったにも関わらず間に合うように配送をしてくれたり、休日や夜間に工事を進めてくれたりなど何度も自分のミスを助けてもらった瞬間があった。事務所の先輩方のたくさんのお手伝いも本当に心強かった。たくさんの支えのお陰様で、施主さんには新居をとても喜んで頂けたと思うので、このプロジェクトに関わってくださったすべての人に感謝しても仕切れない。引き渡しが無事に終わり、本当にホッとして肩の力が抜けたような感覚があった。とはいえ自分はこのプロジェクトを進めることが精一杯で、その他進めなければならないプロジェクトに手を付けられていないので、だらけずに切り替えて頑張ろう。


studio: kobayashi studio
Work: Knさんのための家
タグ:Architecture


リノベーション工事が始まった。解体がひと段落したので、水道・電気・ガス等、床や壁をできて隠蔽されてしまう前に、必要な箇所まで配管を持っていく”逃がし”という工事を行っている。入居者が変わり、建物の使い方も大幅に変わる。時代は変わり、数十年前に想定されていた建物の使われ方からアップデートする必要がある。新しい用途を満たすために解体してインフラ関係の配管をやり直すという行為は、未開拓の土地に移り住む人々の開拓行為に似ていると思う。今いる場所では生活を満足させることが出来ないため、新たな土地に移り住む。土地を切り開き(=解体)、用水路を引き(=インフラをやり直す)、新たに住宅を作る。時代は違えど、人間の営みは変わらないのだ。


studio: kobayashi studio
Work: On Re. Bas
タグ:Architecture


新築現場で、スタッフやお施主さんがDIT(Do It Together)で進めている巾木や壁の塗装作業を手伝った。白い壁や巾木に色がのると、空間に一気に個性が生まれ、そこで営まれる暮らしのイメージが膨らんでいく。もし自分の家であれば、期待はさらに高まることだろう。DITを経験したお施主さんからは「住まいへの愛着が増す」とよく耳にする。それに加えて、空間の印象がガラリと変わり、これからの暮らしの場が形づくられていく瞬間に立ち会えるということも、かけがえのない体験になるのだろうと思った。


studio: kobayashi studio
Work: Knさんのための家
タグ:Architecture


いよいよ終盤に差し掛かった現場では、造作家具や水栓、電材が入り始めている。タイムリミットが迫ってくる焦りと、内部空間の完成が見えてくる楽しみで頭がいっぱいである。足場の解体も行われ、外部工事はついに完了した。約5ヶ月間足場に覆われていた建物がついに姿を現し、内部の養生も少しづつ減ってきた。楽しみすぎる建具も今週末に迫ってきたので楽しみだ。


studio: kobayashi studio
Work: Knさんのための家
タグ:Architecture


引渡しが迫ってきている現場に手伝いに行った。現場終盤あるあるだと個人的には思っていることなのだが、大工・家具屋・塗装屋・電気屋・水道屋・足場屋、数多くの職人が一同に会し、現場は車で溢れていた。足場が取れ、作業場で加工された家具がインストールされ、配管やケーブルが飛び出ていた場所に設備が納まっていく。急激に工事現場が住宅へと変貌していく。このタイミングの現場は中々に疾走感があり、これを捌き切る現場監督には負荷がかかる。がんばれTanishima。もう少しだ。


studio: kobayashi studio
Work: Knさんのための家
タグ:Architecture


ついに建具が入り始めた。角のフィレットと木材の暖かい印象がクールなグレー塗装の空間にかなり効いている。設計時に様々なフィレット半径でスタディしたため、自分としては大満足の仕上がりだった。選定した引き手やつまみ等の器具もかなり良い雰囲気だ。あと一週間で養生を全部剥がし、すべての器具が設置される。待ち遠しい。


studio: kobayashi studio
Work: Knさんのための家
タグ:Architecture


空き家に放置されていた残置物の撤去・整理作業があった。家主はとても勉強熱心な方だったようで、仕事や趣味の資料、機材等が何十箱もの段ボールに詰められており、中身を確認するだけでも骨が折れた。日本人は世界的に見ても家財量がとにかく多いと聞いたことがあるが、以前に別の空き家の残置物を整理した時もその量に驚かされた。そして、その際目にした、山のように積まれた荷物を折に触れて思い出しては、自分への戒めとしている。自分の身の回りにあるものは本当に必要か、身の丈に合った量だろうか。今回の出来事もまた、気を引き締めるきっかけとなった。今週末はちょっとだけ持ち物点検の時間を作りたい。


studio: kobayashi studio
Project: 吉野台団地
タグ:Architecture


今週はシステムキッチンの搬入と施工があった。システムキッチンの施工現場を見るのは初めてだったし、図面を見ながらレンジフードボックスや腰壁の製作をしていたので、少し緊張もしていた。休憩中に職人さんと雑談するタイミングがあり、その時システムキッチンのことを色々教えて頂いた。造作でキッチンの壁を製作する場合の寸法の適切なバッファや、いろんなメーカーのキッチンや食洗機の特徴を聞いた。無事に取り付けることができてほっとした。


studio: kobayashi studio
Work: Knさんのための家
タグ:Architecture


この家のハイライトとなる造作FIXアーチ窓のスチール枠を取り付けた。おそらく、今回の設計のなかで一番検討に時間をかけたディテールだろう。厚み1.6mmのスチール板金で成形したアーチ形状の枠を室外側に取り付け、ガラスを室内から吊り込む納まりとなっている。このスチール枠は薄板板金の曲線形状での溶接成形となっており、加工としてはかなり難易度が高いはずだが、株式会社新和さんに精度高く製作していただいた。mm単位で検討を重ねた納まりが精度の高い加工技術によって納まっていく。この瞬間は建築の醍醐味の一つといっても過言ではない。このディテールに関しては語りたいことがまだまだあるので、続きはガラスが納まった後で。


studio: kobayashi studio
Work: Knさんのための家
タグ:Architecture


先日、マザー牧場の屋内劇場で動物ショーを観覧した。てっきり劇場内のステージ上に動物が登場するものと思っていたのだが、ショーが始まるとすぐにステージ奥のカーテンが開き、大きな窓越しに、劇場後方に広がる牧場の風景が現れた。青空と遠くの木々が描く稜線、木造の橋、そして羊飼いと動物たち…まるでアルプスの少女ハイジのような光景。ガラスリブのため視界がほとんど遮られず、その景色はまるで大きなスクリーンに映し出された映像のようにも見えて、観客からも歓声が上がっていた。そんな舞台で繰り広げられるショーは、内容はもちろんのこと、ダイナミックな借景の体験としても、とても見ごたえがあるものだった。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


kurosawa kawara-tenでは職人の手元パートタイムスタッフを募集している。うちの現場に入っていただく職人さんに手元として付くことで、工事をサポートしてもらう仕組みだ。これはとある日の作業の様子。開宅舎さん物件の水道修繕工事にて、水道屋さんの手元として穴掘りや斫り作業から水栓器具の取り外しまで作業をしていただいた。職人にとっては金銭の負担なく手元をつけることができ、またパートタイムスタッフにとっても給料を受け取りながらリアルな現場の様子を体感することができるwin-winな制度となっている。我々にとっても工事がスムーズに進むことを期待はしているが、本当の狙いはもっと先にある。職人不足が切実な問題となっている建築業界。状況を悲観しているだけでは仕方がない。空き家が増え続ける地域において、建築の知識を身に着けた多能工を増やす壮大な目論見の第一歩である。


studio: kobayashi studio
Project: 開宅舎のためのメンテ
タグ:ArchitectureStudy


先日内装の壁紙部分の施工が終了した。内装仕上げの中ではフローリングの次に行われた。壁と天井一面に貼られ、窓から差し込む光が壁紙を照らしていた。ここから先、塗装やタイル、家具などの施工が進んでいく予定だ。DITとして施主が一部範囲を塗装するプロジェクトであるため、月に数回現場に施主が訪れる。徐々に変わっていく現場の進捗を見る度に喜んでいただけているが、内心毎回緊張している。特に今回は広範囲が完成したタイミングだったため、かなりの緊張だった。引越しが待ち遠しそうな反応を見ると、絶対に遅れてはいけないという責任感と焦りを感じたが、あと1ヶ月全力でやり切ろうと思う。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


このプロジェクトには施主さん自身が塗装する部屋がある。塗装といっても、ただペンキを壁に塗るだけではない。実際に塗るまでにはボードの目地にファイバーテープを貼り、開口部の角にはコーナー材を貼る。床や窓が汚れないように丁寧に養生をして、パテで目地を消す。それが終わってやっと塗りの工程に入れるのだ。パテは簡単ではない。パテにムラがあると、ペンキを塗った際そのムラが全て出てしまう。かなりハードな工程だが、これを僕たちと一緒にやることで施主さんの家に対する愛着が増し、頻繁に現場に来ることで我が家が建つまでの楽しみを一緒に共有できるタイミングが増える。これを実現させるにはかなりの努力が必要だと実感したが、この価値ある経験は今後の建築家人生に大きな影響を与えるだろう。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


小林スタジオのロゴ制作を開宅舎代表でありデザイナーでもある高橋さんにお願いして進めている。小林スタジオのステートメントでも謳っている様々な物事の関係性に光をあてる姿勢を汲んで、kobayashi studioの文字自体ではなくその“あいだ”に着目してロゴを考えるというコンセプトを提案していただいた。この写真はスタジオメンバーに集まってもらい、パーツ化した様々な“あいだ”を組み合わせてロゴを考えるWSの様子。コンセプトの明解さ、視認性、プロポーションとしての美しさ、そうしたことに頭を悩ませながらいくつかの案が出来てきた。完成が待ち遠しい。


studio: kobayashi studio
タグ:Direction


道を歩いていたら、視界の隅で何かが動いた。そちらを見ると雌鶏が数羽、側溝の中にいた。どうやら民家の庭で放し飼いにされていた雌鶏が生垣を通り抜けて道路まで出てきたらしい、しばし立ち止まって観察していると、警戒心が働いたのか、鶏たちは庭へと順次戻っていった。南総地区にある集落で休耕田や空き家をリサーチしていた時のこと。飛び飛びになった住宅群の端、田んぼと森に囲まれた民家沿いでの出来事だった。民家での鶏の放し飼いなんてそう見たことはなかったが、周囲の風景も相まってなんだか懐かしい光景のように感じられた。こんな牧歌的な雰囲気にふと出会えるこの地域が、好きだなぁと思う。


studio: kobayashi studio
タグ:


8月中旬から、市原の南総地区では稲刈りシーズンが始まる。青々とした葉と黄金色の穂が混ざる風景が、ある日突然、乾いた土と刈り取られた茎だけが残る姿へと変わる。毎年その様子を目にすると、体感ではまだまだ猛暑の真っただ中ではあるものの、秋の足音が近づくのを感じる。首都圏に住んでいた頃は、商業施設に並ぶ季節商品で気づいていた季節の移ろいを、広大な田園風景から感じ取れるのは心地が良い。昨年からは稲刈りイベントにも参加している。酷暑の中作業される農家の苦労を実感するとともに、年々貴重さを増すお米のありがたみを噛みしめる日々だ。


studio: kobayashi studio
タグ:Study


プロジェクトの1つで、建築学生や地域の人を集めて解体ワークショップを行っている。初めて建築現場を見る人たちがほとんどである。工具の使い方を教え、解体方法のレクチャーを行い、いざ解体の実践となる。戸惑いながら解体を行う人、いきなりハンマー振り回して解体する人、人それぞれ態度が違って面白い。間仕切り壁や床を解体して、新たに出来上がった空間を見て驚いたり感動をする姿を見て、建築を志した時の初心を思い出す。自ら能動的に空間に介入することで、空間が変化していく様を実感するということは何にも得難い感覚だ。


studio: kobayashi studio
Work: On Re. Bas
タグ:ArchitectureWorkshop


建築には様々な見切りがある。巾木、廻縁、枠、などなど。そうしたところは往々にして、異なる職人の技が出会う場所でもある。フローリングとPタイルを曲線で貼り分ける部分の見切りをできるだけシンプルに見せるため、それぞれの床材の間に1.5mm厚のフラットバーを挟むだけという、逃げが全くきかない職人泣かせの納まりを考えた。まずは大工さんの出番。12mm厚のフローリングを貼り伸ばしたところに曲線を印刷した実寸の型紙をあてて切り出したのち、フラットバーをPタイルの捨て貼りとなる9㎜合板で挟みながら固定していく。9mm合板とフラットバーの間に楔を打つことで、フラットバーはフローリングに隙間なく突き付いた。なるほど、そうすればいいのか。ここまでは完璧。あとは内装屋さんの技に任せるだけだ。


studio: kobayashi studio
Work: Knさんのための家
タグ:Architecture


私ごとだが、先日、実家で同居していた祖母が95歳の人生に幕を閉じた。実家は二世帯住宅なので2階に両親がいるが、祖父母が住んでいた1階は住み手がいなくなる。ついに自分自身が空き家(部屋)の関係者になった。今はまだ、祖母が日中過ごしていた部屋を思い描くだけで、様々な思い出が溢れて切なくなる。静かで穏やかな空気感が心を落ち着かせてくれた。いつも優しい声で迎えてくれた祖母がまだそこにいるような気がする。他人から見たらただの空き家でも、当事者にとっては家族との思い出が詰まった大きな宝箱のようなものだということを忘れてはいけないのだと感じた。(写真は実家ではなく、今自分が住んでいる元空き家)


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


On Re. Projectの第4弾、On Re. Baseプロジェクトの工事がついにスタートした。まずはテラスハウスの空き家の内装解体をお施主さんとその仲間たち、そして建築学生の参加者を募りWS形式でおこなっている。ただの解体と侮るなかれ。やみくもに壊すだけでは作業の効率は上がらない。解体のセオリーは、それを作る手順を逆再生していくこと。間仕切壁であれば、廻縁や巾木→面材→下地→柱の順に取り除いていくと余計な手間なく、かつ材料を過度に痛めることなく綺麗に壊すことができる。解体という行為にも建築を学ぶ要素が詰まっている。建築学生にもこの気づきを持ち帰ってもらえると嬉しい。


studio: kobayashi studio
Work: On Re. Bas
タグ:ArchitectureWorkshop


いつも依頼している近所のサッシ屋さんは昔ながらのやり方をする人。見積書や請求書は手書きで、わざわざ事務所まで手渡しに来てくれる。そして玄関からではなく、必ず通りに面した窓から声をかけてくるのがお決まりだ。先日も同じように請求書を持ってきてくれたので私が対応したところ、窓の鍵が固く開かない。仕方なく隣の窓から受け取ると、その様子を見たサッシ屋さんが「直してやるよ」と中に入り鍵を点検してくれた。サビとガタつきが原因とのことで、その場でさらっと応急処置をしてくれて、見事に鍵は開くように。直したらすぐ帰る潔さがかっこよく、対面だからこそ生まれたやり取りに心が温まった日だった。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


ついに外壁仕上げとなる羽目板の施工が始まった。曲面を描く胴縁に対してどのように収まるのか不安だったが、大工さんがサネを削るなどの対応をして綺麗に収めてくれた。他の部分はステンレス釘で固定しているのだが、ここだけはステンレスビスを使用して隙間ができないように収まっている。準備されていた釘だけでは綺麗にいかないとわかった時、すぐに解決策を導き出してくれる職人さんは本当に頼もしい。全ての出隅部分は留め仕様で収めてくれている。目立つ正面部分だけでいいとは伝えていたのだが、本当にありがたい。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


市原市若宮で新たなプロジェクトが始動する。若宮団地の空き家問題に取り組むOn re. PJに感銘を受けたお施主さんがテラスハウスの空き住戸を自費で購入し、On re. PJの一環として地域の方々の集える場所づくりを進めている。4住戸でひとつながりの棟となっているテラスハウスの一番端に位置する対象住戸を改修しつつ、その並びに新たに増築をする計画だ。工事段階から多くの人を巻き込んで、一緒に作り上げたい。そんな意向から、みんなで工事をするDIT(Do It Together)の施工WSをたくさん企画していくつもり。リノベーションの第一歩、まずは解体から。多くの方に参加して欲しい。


studio: kobayashi studio
Work: On Re. Bas
タグ:ArchitectureWorkshop


前回の投稿で一枚だけ色が濃いフローリングの話をさせて頂きましたが、そのフローリングはなんと寝室収納建具の敷居として生まれ変わった。設計だけでなく、現場監督として現場に毎日通っていたおかげで、色が濃く使えないフローリングに居場所を見つけることができた。流れるような美しい木目を断ち切る色の濃いフローリング敷居。図面上だけでは設計しきれない、自然素材ならではの個体差を現場で直感的に活かすことができたことが素直に嬉しかった。設計を超えた設計のような、なにかこの事務所で仕事をする上で大切なことを体感できたような。自分のレベルが一つ上がった気がした。


studio: kobayashi studio
Work: Knさんのための家
タグ:Architecture


ハンガリーからのインターン生と一緒に古民家の実測をした。彼女は910モジュールは理解しており、作図の手際もよかったので、安心して自分も実測に集中した。ところが室内を一周し終わる頃、「辻褄が合わなくなった」と彼女から声がかかった。一箇所、柱間が1,365となっているところを1,820と間違えたことが原因のようだった。空き家のため畳が既に撤去されており、ぱっと見では間崩れに気が付かなかったのだろう。その他にも勝手口など910グリッドに乗らない場所があり、少し混乱してしまったようだ。シンプルな構成に見えても、たまに複雑さを孕んでいる。そんな古民家の面白さを経験してもらえる良い機会となった。


studio: kobayashi studio
Project: 開宅舎のためのメンテ
タグ:Architecture


古民家リノベーションの現場。先週から断熱敷き込みからの床フローリング、壁天井石膏ボード貼りが進んでいる。今回の改修は古民家特有の熱環境の弱点を改善するべく、断熱気密性を高めた床壁天井を既存躯体からふかして新たに挿入するマンションライクな構成となっている。古民家改修における既存躯体の扱いとして、柱梁を現しとして意匠に組み込むようなデザイン手法がとられることが多いが、今回はあくまで入れ子状に挿入された内部空間を外部環境から保護する外皮としての機能のみが与えられ、それらの痕跡は空間から完全に消されている。古民家リノベーションと一口に言っても、家を使い続ける動機は人それぞれ。親の代から受け継いだ家を引き継いでいきたい。でも現代的で快適な生活は妥協できない。多くの空き家が引き継がれることなく打ち捨てられようとしているこの時代において、古民家改修の選択肢は多様であるべきだと考えている。


studio: kobayashi studio
Work: Nkmさんの母屋
タグ:Architecture


現場でフローリングの施工が行われた。ついに内装仕上げが施行されるということでワクワクしていたのだが、そんな中事件が起こった。一枚だけかなり色味が違う。大工さんも貼ってから気がついたらしい。その場で謝罪しつつ剥がして別の材料を張り直してもらった。さらに届いたフローリングの中に傷物が5枚も出てきた。現場では思わぬアクシデントが多発するのだが、その他の作業の準備もできていたのでギリギリセーフ。そしてこの色違いフローリングは新たな場所で役に立つことになる。現場での咄嗟な判断が良い結果を生んだ嬉しいその話はまた次の投稿で。


studio: kobayashi studio
Work: Knさんのための家
タグ:Architecture


空き家の畳をあげた瞬間、うわっ!と声が出た。荒床の上を無数のシロアリが列をなして行進していたのだ。シロアリ被害の跡は何度も見てきたが、実物を見るのは初めてだった。(数名で現調していて良かった。1人だったら心が折れていた。)彼らの長年の侵攻により、被害がひどい場所では敷居の内部がスカスカになるほど食い荒らされていた。こんなに小さな生き物が、数と時間のパワーによって、その体の何百倍もの大きさの木材を朽ちさせてしまうという事実に改めて驚いた。空き家や古民家を相手に仕事をする以上、付き合い続けなくてはならないライバルだ。今のうちに慣れておこうとしばらく観察してみたが、できれば二度と会いたくない。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


破風板の曲面部分は自分の中でかなり難関ポイントでした。垂木なりの傾きで曲面を形成することはできるのか、まず厚み21mmの破風板が曲がり切るのか。やってみないと分からない、もしかすると別の材を使用して別の作り方を検討する必要があるかもしれない、そんな不安を抱えながら施工の日を迎えた。大工さんと相談しながら作り方を考え、最終的にはなんとか美しい曲面を描く破風板をつけることができた。破風板の曲面部分に丸鋸で何本も切り込みを入れ、押し付けながら施工した。思い描いていた通りの美しい曲面ができて安心した。外部の木工事は殆ど完了し、内部に差し掛かる。細かい絡みも多発してくるので、気を抜かず段取りを念入りに頑張ろうと思う。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


古民家の修繕工事にて。傷んだ洗面化粧台を交換するために、別の解体現場から引き揚げてきた既製洗面台を再利用した。既製品として一般的な幅100cmというサイズのため、ぴったり嵌まるのは当たり前なのだが、あまりのシンデレラフィットぶりについつい写真を撮ってしまう。解体現場にてまだ使えるにも関わらずその役目を終えて取り外される様子を見ていただけに、次なる活躍の場を与えられた姿を見てちょっぴり愛おしい気持ちが芽生える。何の変哲もない普通の洗面台に、まるで我が子を投影するような不思議な感覚。モノの持つストーリーの継承が再利用という行為の大きな動機となりうることを身をもって体感すると同時に、この感情はきっと他人には分かり得ないのだろうという切なさを感じた瞬間。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


青い空、白い雲、そして一面に広がる青々とした田んぼ。日本の夏の原風景だ。けれどこの美しい景色は、耕作放棄地などの増加などによって少しずつ姿を消しつつある。それを食い止め、ふるさとの姿を残したいという想いから、この地域で活動を始めるお客さんがいる。郊外の住宅街で生まれ育った私には、ここまで強いふるさとへの思い入れがない。でも市原に移住してから、四季折々に姿を変える田んぼの風景に心を洗われ、見惚れることが何度もあった。そんな愛すべきふるさとの景色があるお客さんを羨ましく感じると同時に、この風景を未来に残すために、私も全力でその想いをサポートし、応援していきたいと思った。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


ついに内部のボードが始まり、すごい速さで貼られていく。天井高や開口などの細かい寸法等完全に決まっていく。壁の中に逃げている配線などが隠されていき、もう戻れないところまで進んできた。忘れている逃げや受け材などが無いか何度もチェックしているが、それでも不安である。この先大工さんは終盤に差し掛かり、その他多くの仕上げ系が始まるため、準備しなければならない材や図面、日程調整が絶えない。毎日現場のことで頭がいっぱいだが、他にもプロジェクトがあるのでそちらも進めなければならない。仕事って難しい。


studio: kobayashi studio
Work: Knさんのための家
タグ:Architecture


大工による下地づくりがひと段落し、電気配線の工事がスタートした。電気や給排水設備の配線配管は人体で言うところの血管や神経に例えられることがあるが、まさしく下地や断熱材といった建物の骨格、表皮と呼べるものの隙間を縫うように線が張り巡らされていく。リノベーションとなるとそこに既存配線、既存構造物との絡みも出てきて、都度イレギュラーに対応するために現場での打ち合わせが欠かせない。時に電気屋さんと共に頭を悩ませながら、迷路を解くかのごとくルートを見つけ出す。こうしたところにすべてをアンダーコントロールできないリノベーション特有の難しさがあり、一方で職人とともに悩み作り上げる楽しさも見出している。


studio: kobayashi studio
Work: Nkmさんの母屋
タグ:Architecture


お手伝いをしているこども食堂で使用する野菜たち。地域の里山や農地、古い建物などを活用して活動をしている方々から、自家消費用野菜の余りとしてご提供いただいたものだ。普段から地域でお付き合いのある方々と、これから新たに地域のために何かを始めたい方々とをつなぎ、地域を更に盛り上げていく好循環につなげること。(そしてその恩恵が地域に住まう自分達にも巡ってくる。)建築設計だけでなく、こうした地域づくりにも携わることができることが、地域に根差した設計事務所ならではの楽しさであり、やりがいだと感じる。


studio: kobayashi studio
Project: つりはいらないよ食堂
タグ:Direction


ずいぶん昔に廃業した上総牛久駅前の食堂を地域の人々が集い食事ができる場所として再生するプロジェクトをサポートしている。7/11には1日限定のこども食堂イベントを開催する予定だ。この地域でのこども食堂のニーズを探る実験的な意味合いもあり、近隣小学校や学童などでチラシを配布したのみで積極的な告知はしていない。どれだけの子供たちが来てくれるのだろうか、期待と不安が入り混じる。まだ場所は出来ていないが、先日こども食堂を企画しているという噂を聞きつけた方から、運営をサポートしたいという申し出があったという。田舎は噂が広まるのが早い。過疎が進む地域だからこそ、人と人のつながりを実感する。


studio: kobayashi studio
Project: つりはいらないよ食堂
タグ:ArchitectureDirection


しばらくの間大工さんの都合で週に1〜2日しか入ってもらえなかったのだが、その中で電気配線やユニットバスなど着々と進んでいる。まだまだ現場監督初心者なので、念入りに段取りと工程表の更新を行なっているつもりだが、それでも毎日緊張する。ここまでは大工さんが抜けながらの毎日だったので置いていかれずに準備してこれたが、それもあと一週間である。再来週からは屋内の施工が始まるので、設備などとの絡みも多く、同時進行で外壁や屋根の仕上げもスタートする。まだまだ書かなければいけない図面がたくさん残っている。来週頑張れるかが再来週以降の運命を握っているだろう。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


ハンガリーからインターン生が来ている。今週は空き家を改修した事例を見学して回った。ある物件で「ここはとてもcozyで好き」と彼女が言った。cozyはcomfortableと同じで「快適な」という意味だが、comfortableが主に物理的な快適さや身体的な楽さを指すのに対し、cozyはあたたかくくつろげる、居心地の良い雰囲気を表す言葉だそうだ。たしかに古民家はcomfortableとは言い難い環境になることも多いが、それを超える安らぎを与えてくれる空間もある。まさにぴったりな言葉だ。物理的・身体的な快適さももちろん大切だけれど、心がほっと安らぐcozyな建築づくりを目指していきたい。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


このずれが分かるだろうか。古民家改修の現場、既存の壁からふかすように新たな壁下地を制作している。既存躯体はところどころ大きく歪んでいて、柱が下と上で30mmほど倒れているところもある。新規壁は既存躯体の歪みを拾わないようクリアランスをとってレーザーを駆使して墨を出し、場所によって異なるずれを調整するようパッキンをかませながら立ち上げていく。これが骨の折れる作業だ。「古民家を活用する」と簡単に言うけれど、そこには常に不確定要素との格闘があり、多くの手間と職人の技術が詰まっている。多大な手間をかけてでもやるべきことなのか。建て替えてしまった方が良いものができるのではないか。既存を活かすという行為の価値をしっかり言語化しなければならない。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


我が家の隣に建つ蔵を、所員がメインで施工し改修している。先日、いよいよ増築部に壁が立ち、窓がついた。窓に面する隣地は放棄地で、木や竹が伸び切ってかなり鬱蒼としている。でも窓越しに覗く景色は不思議と印象が違って見えた。まるで深い森に佇む小屋の中にいるような気分になり、けっこう心地よい。窓のサイズが丁度良いのかもしれない。高さを抑えた水平連続窓が、縦に伸びる木々を切り取り、さまざまな緑が交わる「いい感じ」の要素だけを抽出している。これがもっと大きい(高い)窓なら、手入れされていない雑然さが目立ってしまっていただろう。「臭いものに蓋」と言うが、「伸びすぎた緑には縁取り」かもしれない。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


現場で必要になった木材の数量を拾って商社さんに見積もりを取る。大体の木材は1本単位ではなく1束単位であるため、何本か余ることが多い。今回必要な材は120mm*30mmの間柱だった。必要数量は18m。商社さんに聞くと1束4本入りの4m材だった。2m足りない。たった2mのためにもう1束はなんだか勿体無い。他のタイミングで使いまわせる材ならいいのだが、あまり使わない寸法のため難しい。最後の望みをかけて、事務所裏にある木材保管場所に向かった。同じ規格の材は見当たらなかったが、奇跡的に150mm*30mmの木材を2.7m分発見できた。これでぎりぎり1束の発注で足りる。今後も在庫をしっかり確認してからの発注を心がけ、なるべく予算の無駄使いを減らせるように頑張ろう。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


先日、都内で行われた会議に出席した。当日は今年一番の暑さということで軽装で行ったところ、会議室内は冷房がガンガンに効いており、とげとげしい冷風にさらされながら、冷え性の私は凍えるような時間を過ごした。夏場のオフィス街における室内と屋外とのジェットコースターのような寒暖差をすっかり忘れていた。一方今日は、市内の古民家改修現場での作業。冷房は無いが、開け放たれた窓から優しく風が吹き込んでくる。じんわりと暑さは感じるものの、自然な風の柔らかな肌触りが心地よい。当たり前になりつつあるこの作業環境が、実は贅沢なのかもしれない、と感じた。本格的な真夏にはそうも言ってられないだろうけれど。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


市原の内田地区で月一回行われている内田未来農園に参加している。その都度参加できる有志が集まって畑をいじる、いわゆる市民農園的な取り組みなのだが、実際には月一の活動で畑仕事が完結するはずもなく、普段のメンテナンスは地元のおじさんにおんぶにだっこ状態。それでも、自分たちで植えて育てた作物を収穫する体験には普段の消費活動では得られない満足感がある。この活動を続けていることで、市原でなにかを始めようと取り組むお施主さんに内田未来農園の野菜を提供するなど、業務での良いつながりも増えてきた。この地域に暮らし始めてから、スーパーで購入する野菜の量がめっきり減った。巷で騒がれている農作物の高騰が遠い世界の出来事のように感じられる。


studio: kobayashi studio
タグ:DirectionReal estate


自分の担当させて頂いている新築の現場が上棟してから約2週間が経ちました。外壁や屋根の木工事が続々と終わり始め、いよいよ仕上げの施工が近くなってきた。楽しみすぎて待ちきれない気持ちと、内部の細かい収まりや器具の選定を焦る気持ちで頭が埋め尽くされています。お施主さんが長く使う家の設備を決めるというのはとても重要な瞬間なので、迷って決められない。種類やメーカーが多すぎるし、いいと思うものが多すぎる。迷いすぎず、自信を持って提案できるように準備して、来週には決め切りたい。やるべきことが増えて来たので、一つ一つにスケジュールを切って計画的に進められるようにしよう。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


リノベーション工事が進んでいる。解体工事、電気配線や設備配管の撤去が終わり、布基礎の土間部分にコンクリートを打設する工事が行われた。つぎはいよいよ大工工事。既存躯体の内側に断熱をした床壁天井を新たに作り、古民家らしからぬ高断熱な住居となる予定だ。ここまで着工から1か月、ようやく新しく設えていくフェーズに入る。リノベーション工事には想定外が付き物。現場を離れられない日々が続く。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


根太をかけ直した床の上に畳を戻す。確認のため歩き回っていると、沈む箇所があった。どうやら畳が潰れているようだ。大工さんに伝えると「そういう時は、こういうのを使ってよぉ」と畳表の切れ端を取り出し、折り曲げて畳の下に入れた。もう一度畳を踏んでみると、沈みがだいぶ改善していた。たった1枚噛ませるだけでこれほど違いがあるとは。畳の下に畳表の切れ端が入っているのを何度も見かけてずっと疑問に思っていたので、理由がわかり、ひとり感動してしまった。この知識が役立つ場面、そしてこの感動をわかってくれる人はそう多くないかもしれないが、いつかどこで誰かに披露したいものである。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


初担当物件上棟から一週間が経ちました。外壁・屋根の木工事はほとんど終わり、雨でも室内には水が入らなくなりました。内部の厄介な曲面の下地なども終わってしまいました。早すぎて色々とテンパる毎日です。本当に早すぎるので、図面を揃えたり材料の準備に大焦り。この住宅には曲面がたくさんあるので、もう少し苦戦して時間がかかってしまうと思っていたのですが、すごい早さで美しく仕上げてくれる大工さんには脱帽です。来週には電気や水道の配線・配管が始まるので、心の準備も必要です。設備系にはあまり自信がないので、職人さんとコミュニケーションを取りながら上手く収められるように頑張ります。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


ずっと緊張していた上棟の日を迎えた。ずっと図面上での想像だった設計物が、実物となって地球上に姿を現した。上棟自体は何度か経験しているのだが、今回はいつもと違う感覚だった。「この建築をどのようなクオリティで引き渡すことができるか」という責任が自分にあるからだろう。当然分かっていたことだが、やはり改めて自分がその立場になって感じる責任というものは大きい。上棟して自信を持てた部分もある。間違いなくこの建築はかっこいい。設計は間違いないと思った。先輩方の設計に脱帽である。完成が待ち遠しい気持ちと完成までの使命感に燃え続ける日々、そしてこの経験をさせて頂けるということに感謝しています。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


古民家の割れたガラス窓を交換する作業に立ち会った。現場にはサッシ屋さんとガラス屋さんがお一人ずつ。いつもやり取りするサッシ屋さんがガラス加工もやるものだと思っていたので、ここまで細かく専門が分かれているとは知らなかった。まるで紙を切るように素早く正確にガラスをカットし、グレチャンを巻き、サッシに再度収めていく。世間話をしながら、ものの数十分で工事は完了した。職人さんの仕事の手際の良さにはいつも見入ってしまう。今は場数を踏んでいないので、全てに対して新鮮に感心してしまうけれど、まだ気づいてすらいない、経験を積んで初めて驚かされる凄さもあるのだろう。いつかそういう瞬間に出会えたらいいなと思う。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


雨漏りの調査のために屋根に登る。古民家瓦屋根の雨漏りの原因は、下屋と壁の取り合いか谷部分と相場が決まっている。想定通り原因を特定し、ふと目線を上げると、集落の風景が目に飛び込んだ。屋根から見る景色は地上のそれとは違い、屋根の連なりとしての集落の佇まいがよく分かる。同じように見える古民家の瓦屋根も、瓦の色味や棟の作り、鬼瓦・巴瓦の意匠など、よく見るとそれぞれに個性があって、こうした微妙なゆらぎが集落の風景をより魅力的なものにしている。自然に勝る造形はない。人間の営みも自然の一部だとするならば、この風景もまた人為的なデザインを越えた自然の造形と言えるのかもしれない。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


平面図や断面図より、アイソメ図を描いている時が一番楽しい。初めて描いたのは大学の課題で、神奈川県立近代美術館のトレースだった。空間を立体的に描くことが面白くて、他の図面のトレース課題よりも夢中で取り組んだことを覚えている。説明的な図面というより、イラストを描いている感覚に近いこと。全体を一目で見渡せて、小さな世界が広がっているような感覚が、子供の頃に好きだった飛び出す絵本やドールハウスを思い出すことが理由なのだと思う。そういえばそもそも建築学科を志したのも、模型を作りたいと思ったのがきっかけだった。そういう自分の「好き」が今につながっているのだな、と考えながら手を動かした。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


いよいよ新築現場の上棟日が迫ってきた!土台敷を終え、プレカットや面材、断熱材などの荷受けも終えた。初めて担当として迎える上棟なので、ワクワクと緊張で毎日感情が忙しない。万全の準備で備えを進めているのだが、一つどうしようも無い問題が僕を弄んでくる。ずばり天気予報である。延期になると後々の自分の首を締めるのだが、精神的にちょっとホッとしてしまう自分もいる。感情がめちゃくちゃである。そんな一週間だったが、結局残念ながら延期となってしまった。諸々のリスケジュールと養生にかなりの時間を取られてしまったが、気持ちを切り替えて、次は晴れることを祈って、さらに万全な準備で迎えることができるように頑張ろう。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


ポンプ屋さんをご存じだろうか。基礎工事におけるポンプ屋さんとは、ミキサー車で運ばれてきた生コンをコンクリートポンプ車を使って打設位置に圧送する職人である。正確にはコンクリート圧送工事業と言うらしい。精度の高いコンクリート打設にはポンプ屋さんのサポートが不可欠。汗だくになりながら蛇のようにうねる圧送パイプをいなし、基礎屋さんと阿吽の呼吸で適切な位置に適切な量を流し込んでいく。建築が多くの職能と多くの技で出来上がっていることを実感する。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


古民家リノベーションの物件にて解体が進行している。大工が手際よく天井、間仕切壁、床と解体していくと、金物なく組み上げられた軸組が姿を現した。解体現場を眼前にした感動はどこから来るのか。躯体、壁、屋根だけで立ち現れる原始的な建築への憧れか、今この瞬間しか見られない光や抜け感の儚さか、はたまたプレカットも金物も新建材もなく作り上げた先人大工達への尊敬の念か。空間の劇的な変化もその一因だろう。こうした感情は果たして世界共通のものなのだろうか。解体の美学、この現象を言語化したいと常々考えている。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


古民家の床下を覗いた。縁側から見える初夏の晴れやかな風景とは対照的に、そこには暗く、ひんやりと静まり返った空間が広がっていた。家の裏の顔を見ているような、その体を解剖して内臓を覗いているような気持ちになった。表層は似たようなつくりをしていても、下地には建てた時代や大工の個性が現れる。ここでは8畳の部屋の真ん中に直径200ミリほどの立派な丸太が大引きとして1本渡っていて、その1本が床全体を支えていた。根太が劣化し床が沈むため、新しいものに変えて大引きも追加する予定だ。どっしりと時の流れの重みを受け止め続けたその丸太に、「長い間おつかれさま」と言いたくなった。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


いよいよ来週に迫ってしまった初担当新築現場の上棟。今週で基礎が完成した。アンカーボルトの位置や本数を地道にチェックしながら、ついに始まってしまう木工事にビビる自分。一ヶ月前までは少しの自信と楽しみな気持ちがあったのだが、今週に入ってからは不安にやられている。だが逃げることはできないその日が迫って来る。一本一本チェックしながら、心はすり減っていく。お茶の時間に、基礎を施工して下さった職人さんにそんな自分の心境を話す。結構ウケた。優しい職人さんに包み込まれる時が一番チルいかもしれないと感じた一週間だった。自分がミスった時、助けてあげようと思われるような行動と態度を徹底的に極めよう。ミスる前提でごめんなさい…がんばります!


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


祖父がかつて営んでいた食堂でこども食堂をはじめたいという依頼を受けている。まだプランは提案段階だが、まずは既存店舗を使って1日だけ食堂を開くことになり、事前準備と当日の運営にも関わった。野菜や什器の提供に地域の方が協力してくださり、当日は通りがかりの人や、かつての食堂の常連、施主の旧友など多くの方が訪れてくださった。商店街でこども食堂をやってくれる人を探していたという市の社会福祉協議会の方も来てくださり、多くの方が施主とこの取り組みを応援してくれていることを実感した。1日食堂を通じて施主の気持ちもより前向きになったと想像する。また私自身も、施主の思い描く風景をより具体的に想像できるようになった。長い店舗設計のプロセスの中で「まずやってみること」の力を感じた。


studio: kobayashi studio
Project: つりはいらないよ食堂
タグ:Direction


R形状の壁を実現するため、基礎屋さんに多角形の型枠製作をお願いした。図面では簡単に書ける形状も、作るとなると話は別。ああでもない、こうでもない、と打ち合わせを重ねて現場を離れると、後日ばっちり納まった型枠が出来あがった。「俺、大工にもなれたんだよねぇ」冗談か本気か分からないやりとりをする。元来、作り手というのは多能なものだと気付かされる。この型枠が一時のものであるのが惜しい。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


普段何気なく使っている家具や建具。当たり前のようにそこにある開口部。何となくの理解で学生時代に描いてきたそれらの図面。入社して一番ついていけなかった納まり図だったが、一年を経てようやく図面で会話できるようになってきた。建たないことを前提に設計してきた学生設計課題では、知らなくても何とかなってしまっていたが、この解像度で建築設計ができていたらなと後悔している。たくさんの建築を見てきたが、大事なところを見落としてきたに違いないからだ。行く度に新たな良さを見つけてもらえる建築を目指さねば。


studio: kobayashi studio
タグ:ArchitectureStudy


立派な古民家の一角、40年ほど前に増築離れとして設えられた10畳間の床フローリング貼替工事。奇抜なテキスタイルの壁紙に銘木の窓台、フィレットされた折り上げ天井(間接照明が仕込まれているわけではない)に奇抜なガラスの照明など、既存の特徴的な意匠と呼応するよう、普段はなかなか選ぶことがないヘリンボーンのフローリングを提案した。やりたいことを盛り込んだのであろう大工の遊び心と、それを許容できる施主。聞けば、当時は大工が自由に出入りして、酒を飲みながら作業していたのだという。今や失われつつある施工者と施主のおおらかな関係性に想いを馳せる。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


設計には決めなければならないことが沢山ある。間取りや素材の選定など、その建築に大きな影響を与えるものと、端部の納まりや器具の選定などのそれぞれは細かな設計なのだが、そこに力を注ぐか否かによって建築全体の魅力に大きな変化を与える。一般的な納まりで済ませてしまっても、建物としては十分機能を果たす。しかし私は、細かなお節介に溢れた建築を目指したい。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


1枚ずつ衣服を脱がすかの様に建物を解体していくことが好きだ 更地にすることを目的にして重機を入れて派手に建物を壊すのではなく、改修前提で手壊ししていくことで見えてくるものがある。 建物が着ている衣服を一つずつ脱がしていくとかつて施工した人や住んでいた住民の手癖や歴史等が見えてくる。 そのような解体の向き合い方をしていくことで先人達と繋がることができる。 床スラブの打設中にうっかりと足跡を残してしまっのたであろう施工者の情景を思い浮かべながら


studio: kobayashi studio
Work: 新井みせスタジオ
タグ:Architecture