2025.04
Sghr Pop-up 御殿場

千葉県九十九里に工場を持ち職人による手作りの工芸硝子ブランド、Sghrが期間限定で御殿場プレミアムアウトレットに出店するための空間構成を担当した。ブランドのプロダクトは職人の高い技術で創り出される繊細で美しい工芸硝子であるため、期間限定とはいえ折りたたみ机に並べることは憚られた。一方期間限定であるため店舗内装を変えることはできないという状況で、ブランドの価値を既存顧客ではないアウトレットモールに来る人達に届けることが求められた。昨今のアウトレットモール専用商品のような本末転倒をした物は作らず、工場に眠っている廃盤在庫品やB級品への再加工品、またはOEMやイベント用に作られた物の在庫品といった通常店舗では出会うことのできない、違った価値をもった違った側面を見せるというコンセプトに共感し、ブランドの持つクリーンで整った印象ではなく、工場で職人が作り上げるような質感と生々しさのようなものを提供できないかと考えた。ブランドが九十九里という海の町で日々生産し、その場所でその人達で作られるという地域性、そしてアウトレット商品という文脈から、プレカット工場で出るベニヤの端材を利用した家具を提案した。ベニヤの寸法を元にして大小高さが違う箱が連なることで売り場を構成できるようにし、プロダクトである硝子が一面に並ぶ量感を表現できるようにした。さらに半分の箱を藍染液で染色し、再加工することによって新しいスタイルを付加する商品と呼応させつつ、九十九里の空と海の色のような青い印象を空間に提供した。また、店舗サインは千葉の山から切り出された支障木の樫を突板ベニヤにし、これに鉄媒染と藍染をほどこすことで期間限定での特別な印象作りができないかと考えた。


Photo : 千葉正人

Photo : 千葉正人