拡張設計
建築設計事務所をやっていると、明らかに社会には存在して然るべきだろうと思うプロジェクトなのに予算がないから実現できないもの、もしくは建築士の設計料が払えないために建築設計を提供してもらうことができないものの相談を受ける。または、自分達が獲得した空家や、事務所の機能を拡張していく際の設計を自ら行う必要があったりする。設計料が発生しない、所謂「儲からない」プロジェクトをその基準で判断していれば、空家や過疎地のプロジェクトなどは決して実現されないし、世界は同じような建物、同じような素材、同じような風景が量産され、どんどん意味を失っていくことになるだろう。「拡張設計」はそういったプロジェクトの設計者枠を学生や元パートタイムスタッフなどに拡張し提供することで、人的リソースを提供してもらう代わりに事務所のフルタイムスタッフはプロジェクトディレクションとプロジェクトマネージメントを行う。それは同時に彼らの3年後の所内での役割をロールプレイしてもらうことも意図されている。建築設計事務所の関わり代を大きくし、一つの職場、一つのキャリア、一つの人生ではない、n番目の場所を持つ人が増えることで起こりうる多様で豊かな状況を社会に提供する方法を試行している。













