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事務所のある団地の広場で、ベンチが壊れていると近所のおじちゃんが教えてくれた。
座面の板が朽ちて外れ、危ない状態だった。事務所に余っていた材料があったので、そのまま直してしまうことにした。特別な設計でも、大げさな工事でもないけれど、ベンチはまたみんなが座れる場所に戻った。作業をしていると、通りがかった人が声をかけてくれたりする。建築というと、どうしても大きな建物や完成形ばかりに目が向きがちだけれど、こうした小さな手当ても、まちには確かに必要だと思う。まちで起こる大小様々なことに真剣に向き合い、少しずつ良い日常をつくっていく。まち医者のような建築家でありたい。地域に根ざし、困ったときに思い出してもらえる設計事務所になっていけたらと思う。

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普通多様性をつくる

日々の暮らしの中で、「ふつう」について考えことはあるでしょうか。「ふつう」でいい、そう思っている人も現代では多いはずです。

しかしながら今の社会では、

何かを作ろう・起こそうとした時に、選べる多くの「ふつう」は、経済合理性によって均質化してしまい、あまりに選択肢が少なく魅力や多様性に欠けているように思えます。

本当は趣味や好みはぞれぞれ違い、それを叶えるための物や空間も、少しずつ違ったカタチをしているはずなのに。

そして、高度経済成長期につくられた沢山の「ふつう」をコピー&ペーストした今の社会では、個人の幸福度の低下、コミュニティの断絶、空家問題、超高齢化社会等、沢山の問題を抱えています。

積極的に今までの「ふつう」を疑い、次の世代へ繋がるような「ふつう」へアップデートを行う。そのようにして作られた建築や空間には、個人の人生の豊かさ、社会との関係性、コミュニティ、地域の経済や環境までも、変える力があると信じています。

髙島スタジオでは、ごくありふれたなんてことのない日常こそ、かけがえなく、素晴らしいものだと考えています。依頼主のそんな日常が、想像していなかったけれど、どこかしっくりくる新しい「ふつう」になるよう、建築設計の視点からその発見をサポートし、ご提案します。

「普通多様性」とも言えるような、人々の豊かな で多様な日常の重なりが、都市に循環と変化をもたらし、新しい世界の豊かさを生むことを目指しています。

高島 和広

埼玉県のニュータウン出身
自分の育った住宅街が寂れていく風景を目の当たりにして、人の住む街が豊かに長く続いていくようなことができないか、考えています。生まれ育った地域の田園風景等、ありふれたのどかな景色が好きです。

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