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最近、ひたすら瓦を動かしている。もともと瓦屋さんが所有していた場所で、もったいないからなかなか捨てられなかったのだと思うが、大量の瓦が溜められており、それらを完パケさせるためにとても苦戦している。ただ、今使い道が見出せないものだからといって捨ててしまうのは、完全に負けだとも思っている。continuabiltyとかbuilt ecosystemとか言っている設計事務所がこれを使えなくて何になれるのだろう。1枚も捨てないで、全部使い切ることを何とか考えてみたい。


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この写真は解体後に集めたビスの総数である。箱に入っているのはまだ新品同様に使えるビス。箱の外にあるのは折れてしまって使えないビスだ。建設現場では一般的に、全てゴミとして捨てられることが多いだろう。今回担当しているプロジェクトに資材の継承という文脈が重要だと思い、いつもは何気なく集めて使っていたものを意識的に集めてみた。数百、数千万という単位になる建築行為において、このビスたちは新品を購入しても千円に満たない。まして一本一本の価値は一円程度だろう。もちろん、現場でビス一本にまで常に気を使っていては仕事が進まない。だがしかし、当たり前の感覚にしてはならないだろう。まだ使えるのにゴミとして扱われてしまう建材は他にも多々存在する。これらに再度光を当てるということの重要さは今後の建築にとって重要な視点となるはずだ。


studio: kobayashi studio
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マンション改修の現場が、ついに引き渡しを迎えた。「想像以上に出来上がりに感動した」そう言ってもらえただけでも十分なのに、「建築は人生をつくるね」という言葉をいただいた。僕たちの仕事は、建築をつくることのようでいて、実際にはその先にある暮らしや時間に関わっている。どんな日常を送り、どんな記憶を重ねていくのか。建築はそれを受け止める器であり舞台になる。実は今回のクライアントは僕の友人である。自分が今の事務所に転職した頃、彼女も会社を辞めて独立した。お互いの近況を話しながら、それぞれの場所で踏ん張る様子を応援してきた。だからこそ、次のステップを、こうした形で支援できるというのはとても嬉しい。設計者冥利に尽きる、とはこういうことかもしれない。


studio: takashima studio
Work: ハナエステ
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コペンハーゲンの運河沿いで、何時間でもいられた。コーヒーを一杯持って、ベンチに座って、ただそこにいるだけでよかった。課金も消費も関係ない。ただ気持ちよく、そこに存在できた。日本の都市では、それができる場所が少ない。どこかにいるためには消費者でなければならない。カフェで一杯頼まなければ座れない、商業施設にしか行く場所がない。ただそこにいるだけでは、肩身が狭い。これは単なる都市設計の問題じゃないと思っている。日本という国を成立させるための社会的な要請から出来上がった既存のフレームワークによって、人間が人間らしく生きられる範囲が、構造的に狭められているということだ。住宅から一歩でも外に出たら、居場所がない。その息苦しさが、Caseyには許せない。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


この自由曲線で囲まれた空間はとてものびやかで奥行きがつかみどころのない空間になっていて、唯一無二な状況を獲得している。どうやって作るかということが未知な状態から実際に形にするところまで持ってくるのは本当に大変で、そのことをよく知っているからこそ、主担当の後輩にはよくがんばったねと激励の声をかけてあげたい。設計から施工まで一貫して引き受けることで、各箇所での施工がしやすいしづらい、こうやったほうがうまく収まるといったフィードバックを受けることができ、施工現場のブラックボックスの中に暗黙知が隠されてしまうことなく吸収できる。ただ、その裏にはなかなか想像し難い苦労とどうにかして実現したいという熱意がありそれこそ建築家に必要なものだと思う。


studio: takashima studio
Work: ハナエステ
タグ:Architecture


中東情勢の影響で、大手メーカーでユニットバスの新規受注停止や、納期未定という状況になっている。お風呂といえばユニットバス、いつからそれが当たり前になったのかわからないが、自分自身もkawaratenに入社するまではそれが当然だと考えていた。今私が住んでいる社宅は、古民家の一室を防水加工してバスタブを置いた、造作の風呂場だ。清掃性等の機能面ではユニットバスに劣るが、明るい天井やバスタブの形状で唯一無二の空間にはなっている。規格品が手に入らない今、昔ながらの左官・タイル仕上や檜風呂に立ち返ることはできるのだろうか。贅沢ではあるが、メンテナンス性の高さを求める現代人のライフスタイルとは合わない面もある。日々変わる状況を注視しつつ、次の一手を考え続けなければならない。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


長屋門の梁を実測し、3DCADに起こす作業を任された。メジャーを当て、寸法を図面に落としていくと、建物が少しずつ自分に近づいてくる感覚がある。ものをつくるには、一つひとつの部材に寸法を与え、どう組み合わさっているかを考えなければならない。そうやって初めて対峙することで、寸法や納まりを意識できるようになる。頭でわかっているつもりでも、実際に手を動かさないと見えてこないことがある。
実測していると、普段は見えないものがたくさん見えてくる。使う側でいるだけでは、建物はただそこにあるものでしかない。でも、つくる側の目で見ると、一本の梁にも理由があり、寸法がある。入社して2週間、リアルな建物を通じて、建物をつくるということを学んでいる。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


引き渡しが終わってから半年ほどたった住宅にちょっとお邪魔する機会があった。リビングの片隅をふと見ると、インパクトドライバーがおいてある。施主に話を伺うと、今でも半月に一回くらいは棚を作ったり、器具を取り付けたりと何かと使うことがあり、そこが定位置になっているということだった。この物件は住宅とは別棟で音楽スタジオがあり、お施主さんがメインで石膏ボードを貼ったり、内装塗料を塗ったりというDITを実施していた。自分たちの住まいを自分たちの手でより良い状況に変えていくということが自然に行われる土壌が育まれ、それが今なお続いている場所となっていた。


studio: takashima studio
Work: Ngさんのための家
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現在担当している古民家リノベーション現場では、解体で出たものをできるだけ再活用できるように努力している。仕上げ面材になっていたラワンベニヤや、下地の木角材、ここまではいつも資材を無駄にしないように気をつけているが、今回は土や藁、ビスの一本に至るまでかなり丁寧に集めている。敷地はチバニアンという地磁気逆転地層が見られる町で、このプロジェクトにも、積層というキーワードが大きく関わっている。解体材を積極的に使うことは、地層という長い年月をかけて形成された地球の痕跡へのメタファーとなる。この建築が現代社会へどのような問いを立てるのか、まだ言語化しきれていないが、強いメッセージ性を持つということに確信を持っている。竣工が楽しみで仕方ない。次回は集めたビスが最終的にどれくらいの量になったのかをお見せしようと思う。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


マンションのリノベーションも、いよいよ大詰め。僕らが「セカンドウォール」と呼んでいる曲面の壁が立ち上がり、左官仕上げが塗られた。足元の間接照明に照らされて、壁は床からわずかに浮いたように見え、空間にやわらかな奥行きをつくっている。ここは、旦那さんの書斎へと続く廊下。まっすぐではなく、少しずつ視界がずれていく構成によって、奥へ奥へと進みたくなるような、歩いていて楽しい空間に仕上がってきたと思う。ただの通路ではなく、移動そのものが少し楽しくなる場所。そんな時間の質を、壁ひとつで変えられるのだと改めて感じた。あと少しで引き渡し。この空間が、日常の中でどんな風に使われていくのかが楽しみだ。


studio: takashima studio
Work: ハナエステ
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