

studio: takashima studio
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この前の休日、いらなくなった木材達のさらに端材から、写真立てのような物を作った。正確にいうと、世間一般的には捨ててしまうような部材から、結婚式に渡すプレゼントの台座を作ったのだ。信じられないかもしれないが、事実である。僕は、価値のある物は決して高価なものや、手に入りにくい物に限らないと思う。捨てられてしまうような物でも、磨けば美しくなるし、新品では決して手に入れることのできない、時間を持っている。そいういうものに価値があると思う。


studio: takashima studio
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事務所のダイニングテーブルの天板が完成した。各現場で余ったホワイトセメントとパーライト、そして解体屋さんからレスキューしたガラスを使って制作した。本来このガラスは、事務所改修の際の材料として再利用する予定だった。しかし、経年変化による厚みの揺らぎが大きく、カットの工程でどうしても割れたり欠けたりして“弾かれて”しまうものが生まれてしまった。せっかくレスキューしたガラスなのに、加工の段階でさらに弾かれるガラスが出てしまうことに、どこかやるせなさを感じていた。そこで今回は、そうした「弾かれたガラスの中から、さらに弾かれたガラス」まで素材として迎え入れ、天板づくりに活かすことにした。砕いたガラスを打設時に表面へ撒き、そこからひたすら研磨を重ねて仕上げたことで、素材が持つ不均一さがそのまま豊かな表情として現れている。


studio: takashima studio
Work: ハヤシハウス
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建築設計とは、まだ存在しない空想の世界を具現化する行為である。そのスケールの大きさゆえ、空間として立ち上がって初めて、その良し悪しが本当に見えてくる。だからこそ、設計段階ではパースや模型をつくり、マテリアルサンプルとにらめっこして、想像上の建築を少しでも現実に引き寄せようと試みる。理想を言えば、全てを1/1スケールでモックアップを作ることが出来たらいいが、現実にはなかなか難しい。しかし、家具レベルであればそれが出来る。今回、計画中の物件に設置予定の家具を試作したところ、想像を上回る仕上がりとなった。この行為は、ある意味とても贅沢で、設計における貴重なプロセスだと感じている。


製品”ではない”部分を設計する。意味のない行為に見えるがこれこそ難しい部分な時がある。モルタルの相手をするときは特にここに気をつけるのだ。この素材は気難しい人のように振る舞う、混ぜ合わせた直後はドロドロとして全く自立しない。時間が経てば固まり自分の脚で立ってくれるが、見極めが甘いとボロボロと崩れて脆いのだ。かと言って長い間待たせてしまうと固くこびりつくようにみっちり締まって張り付いていたものを離してくれなくなる。こちらから常に状況をうかがっていないと上手い付き合いができないのだ。そんな気ままな素材の面倒を最後まで見るのが”型”の存在だ。我々が設計できるのはモルタルそのものではなくて、型の設計しかないのだ。始めは自立せずモルタルの身の全てを任せるしかなく、固まってきたころに、ちょうどいい塩梅で張り付きすぎず、形を崩さず支えてくれるような型を設計できないとモルタルの面倒は見切れない。最終的には製品に全く現れて来ないが、この型をどう作るかを考えないと製品にならないのだ。そんな、製品ではない部分に気を配る設計というものがあるのだ。


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我々はしばしば残酷な期待を願う。機能だけを手にして、そこに物は存在して欲しくないのだ。いま目の前にいる人に向けて、君は存在しないで欲しいと言えるだろうか?だが、我々は平然と建築の要素にそういった主張を許してしまうのだ。なら、そういった物たちに向けて自分は何を施してあげられるだろう?悼む気持ちを忘れないであげられるだろうか。


何気なく、そっと手を触れることでそこに確かに”ある”と認識できる世界。新たなものをこの世界に生み出そうとするときは少し緊張する。どのような手触りで?どのような形をして?どのような経緯があって?我々が自身の存在に悩むのと等しく、きっと生み出した存在も同じ悩みを抱えて生まれて来るだろう。何気ない日常に溢れているどのような物たちも、誰かの営みによって生まれて来ているのだ。いま作っている物は、どんな感情を持ってそこに”ある”世界の一部となるのだろう?考えを巡らせて、手を動かすのだ。


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新築現場の風景。建築学生のパートタイムスタッフの力もかりて、4人がかりで断熱材を屋根の上にあげた。大工さんの力強さに頭が下がる。建築を仕事にするのは大変だ。一昔前まで、建築工事は「普請」と呼ばれ、多くのご近所さんが集まった。資材を運ぶのもわけなかったのだろう。職人さん任せにしない普請的な建築生産は可能だろうか?息を切らしながら、そんなことを考えてみる。


Work: 新井みせスタジオ
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