

studio: kobayashi studio
タグ:Architecture











これは何の部屋でしょう?正解は、元は空き家だった物件に付属する倉庫だ。店舗併用住宅だったため、おそらく在庫品の保管に使われていたのだろう。現在の住人からの依頼でこの倉庫を利用して厨房をつくる計画があり、初めて中を覗いてみた。すると壁一面に、細長い木材がびっしりと打ち付けられていた。何かの用途があったのか、あるいは意匠的なこだわりだったのか、理由はわからない。何もない寂れた空間を想像していたので、いい意味で裏切られた。元の住人の歴史が感じられるこの仕上げを、あえて残し意匠として活かす案が浮上している。建物の個性が生きることで、二つとない空間になる。それこそが、リノベーションの醍醐味であり、楽しみだ。


studio: kobayashi studio
タグ:Architecture


やはり、外部環境や窓というのは、建築を見る視点として、役割が大きいように思う。窓は視点を定義して、外部環境はそこに投影される。この建物で過ごすことは映画を見ているような体験だった。ライブリーに動く子供。その前を通り過ぎる車。それを縁取るフレーム。コーヒー。同じ風景を見ているようで刻々と時間が流れて行く。そんな日常を作るのも建築家の仕事の一つである。


studio: takashima studio
Work: Kさんのためのアパー
タグ:Architecture


事務所のすぐそばに、10年から20年ほど放置されていた空き家がある。以前から少しずつアプローチをしてきたのだが、今回ようやく持ち主さんとの話がまとまり、引き継ぐことができた。持ち主さんは関西に住んでおり、相続したこの家を使う機会はなかった。使われない家は、時間とともに確実に傷み、月日を経るごとに手間もコストも増えていく。使わない家は、そのまま抱え込むのではなく、使える人へと継承されていく。それは、都市としてとても健全な循環だと常々感じている。建物は所有され続けるよりも、使われ続けることで価値を保つ。この家をきっかけに、この街がまた一つ良くなるような使い方を、考えて行きたい。


studio: takashima studio
Project: 明日の郊外団地
タグ:ArchitectureReal estateStudy


ディスプレイする棚の寸法関係や操作性を確認するを作るためにモックアップを作った。壁合板の目透かし部に差し込むためにまず端部を欠き取り、その後レコードを差し込むために溝を掘る。尺金を使って木材に墨を出し、丸ノコで欠き取り、溝切機で溝を掘る。時間にして10分程で作成できた。入社するまでDIYすらもほぼやったことないレベルだったが、4年近くもkurosawa kawara-tenで働いていると施工スキルが大分ついてきたなと思う。このモックアップは最終的に使うものではなくあくまでも試作品であるため、大工さんがやるほどの精度ではやっていないが、設計者として寸法を詰め切るためにもモックアップは時に必要であるため、サクッと施工ができる能力があるということは、設計者としては大分得だなと思う。


studio: kobayashi studio
Work: On Re. Bas
タグ:ArchitectureStudy


3年半ほど断続的に動かしてる蔵プロジェクトであるが、もので溢れてきてしまう&プロジェクト自体も動いてないと、まるでゴミ屋敷のような状態になってしまう。そうなってくるといざ工事を始めようと思っても、物理的にも気持ち的にも工事がし辛い状況となってしまう。(いい意味で)何かが起こりそうな場というものの設えというものはあって、間違いなく今の現場状況はなっていなかった。まずは使わないものを現場から下げ、掃除をして、ものを纏めて、次からスムーズに施工が出来るように場を整えた。いい雰囲気が出てきたと思う。


タグ:Architecture


とあるマンションの解体工事が始まった。いざ壁や床を開けてみると、いろいろな発見があり、予想を裏切られるようで面白い。この現場の1階を解体してみると、本来ならば必要のない場所に断熱材が見えてきた。不思議に思い昔の図面を見てみると、反対側は駐車場であることがわかった。いわいるマンションなどにある室内駐車場である。また、床を壊すことでスペースがもっと広く使えることがわかってきた。どう使っていこうかと想像が膨らむ。たまに、壁を開けてみると材が腐っていて、交換しなければいけないなどの嫌なこともあるけれど、建物を解剖しているようで、楽しい工程の一つである。


studio: takashima studio
Work: ハナエステ
タグ:Architecture


新しいプロジェクトの敷地調査に行った。かなり急な斜路を登った先にふっと敷地があらわれ、振り返るとみなとみらいや富士山がかすみ、日暮れという時間もあいまって絶景だった。かつてはススキの原っぱや照葉樹林が広がっていたのだろうなとしばらく感傷にひたりつつ、ここで新しい暮らしを始めようとしているお二人の背中を柔らかく押してあげたいと思った。


studio: takashima studio
タグ:Architecture


先日、住宅を建てさせていただいたお客さんと一緒に、敷地内に併設する音楽スタジオ棟をつくっている。骨組みと外壁、屋根までは職人さんにあらかじめ施工してもらい、内部の吸音材や防音壁、内装仕上げはDIYで行う計画だ。お客さんのDIYに、設計者である僕らも加わるこのやり方を、僕らはDIT(Do it together)と呼んでいる。防音は、重量による遮音と、反響を抑える吸音材の組み合わせで成り立っている。実際にパネルを持ち上げ、そのパネルの重さや、空気層の数、その間にいれる綿を見ると、たしかに防音しそうだと、肌で実感する。 知識では知っていても実際に手を動かしながら、重さや固さ、手触り、施工の大変さなどを感じるこの進め方は、学ぶことがとても多い。


studio: takashima studio
Work: Ngさんのための家
タグ:Architecture


高島スタジオの拠点となる場所の陸屋根のシート防水を施工しながら、ここ最近現場監督に徹する時期が続いていたので自分で施工することの楽しさを感じていた。防水工事の施工はFRP防水しか経験がなかったのだが、似ているところもありつつ、塗料の混合の仕方や硬化のスピードには違いがあり、新しい工法に久しぶりに触れたことが新鮮だった。世の中には様々な工法があり、その種類の膨大さに先人たちどれほどの試行錯誤と創意工夫があったのだろうとしみじみと思う。


studio: takashima studio
タグ:Architecture


冷え込みが厳しい季節になってきた。社宅として住まわせていただいている築120年以上の古民家は、日当たりの悪さや、経年による柱・梁の歪みから生じる隙間風のせいで、冬はかなり厳しい環境になる。(その代わり、夏は扇風機だけでも割と快適に過ごせる。)少しでも断熱性能を高めるため、障子紙をプラスチック段ボールに張り替えている。暖気が逃げにくくなったのはもちろん、障子よりも光の透過性が高く、ほどよい自然光を取り入れることができる。子どもができた今では、障子紙を破られる心配がないのも嬉しいポイントだ。朝起きて、プラダン越しにやわらかく差し込む光を感じられる光景が、今の暮らしのささやかな楽しみになっている。


studio: kobayashi studio
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