2025-09
kobayashi studio
Nkmさんの母屋











古民家リノベーションの内装工事が進んでいる。白基調のフラットな内装、高性能のサッシ、折り上げ天井に間接照明。古民家なのにマンションライクを求めるお施主さんの要望に応えた“逆張り”の家になっている。壁は厚さ6mmのケイカル板にクロスを貼り込んだパネルを制作し、それを接着して仕上げる仕様で、開口部も特注のスチール枠を制作してもらい、枠の存在感を消す納まりになっている。パネル工法やスチール枠はそもそもオフィスや商業施設などの非住宅用途で、同一規格の既製品を用いて早くきれいに仕上げるための納め方であり、古民家の、ましてやリノベーション工事で採用することは普通はないだろう。お施主さんの逆張り精神に答えた、古民家らしからぬクリーンでミニマルな内装に仕上がる予定だ。


studio: kobayashi studio
Work: Nkmさんの母屋
タグ:Architecture


このプロジェクトの造作家具のほとんどは、藤江木工所さんに製作をお願いしている。古民家のリノベーションといえば既存躯体の歪み撓みに対応するため、家具の造作も現場合わせでの製作となることが多いが、今回のプロジェクトでは既存躯体の歪みを拾わないよう縁を切ったふかし壁による内装としているため、新築工事同様にプレファブの家具をインストールする工法が可能となった。一部家具が出来上がってきたとのことで、製品検査に伺った。大型の工作機器を駆使し、熟練の職人さんによって組み上げられた家具は、非常に高い精度で製作されている。現場製作では到底実現できない仕上がりで、お施主さんのイメージする“マンションライクな”内装が実現する予定だ。


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Work: Nkmさんの母屋
タグ:Architecture


古民家リノベーションの現場。先週から断熱敷き込みからの床フローリング、壁天井石膏ボード貼りが進んでいる。今回の改修は古民家特有の熱環境の弱点を改善するべく、断熱気密性を高めた床壁天井を既存躯体からふかして新たに挿入するマンションライクな構成となっている。古民家改修における既存躯体の扱いとして、柱梁を現しとして意匠に組み込むようなデザイン手法がとられることが多いが、今回はあくまで入れ子状に挿入された内部空間を外部環境から保護する外皮としての機能のみが与えられ、それらの痕跡は空間から完全に消されている。古民家リノベーションと一口に言っても、家を使い続ける動機は人それぞれ。親の代から受け継いだ家を引き継いでいきたい。でも現代的で快適な生活は妥協できない。多くの空き家が引き継がれることなく打ち捨てられようとしているこの時代において、古民家改修の選択肢は多様であるべきだと考えている。


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大工による下地づくりがひと段落し、電気配線の工事がスタートした。電気や給排水設備の配線配管は人体で言うところの血管や神経に例えられることがあるが、まさしく下地や断熱材といった建物の骨格、表皮と呼べるものの隙間を縫うように線が張り巡らされていく。リノベーションとなるとそこに既存配線、既存構造物との絡みも出てきて、都度イレギュラーに対応するために現場での打ち合わせが欠かせない。時に電気屋さんと共に頭を悩ませながら、迷路を解くかのごとくルートを見つけ出す。こうしたところにすべてをアンダーコントロールできないリノベーション特有の難しさがあり、一方で職人とともに悩み作り上げる楽しさも見出している。


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